多発性骨髄腫と生きる

患者さん・ご家族のみなさまへ

日常生活での注意点

【編集協力】千葉大学医学部附属病院 血液内科 科長・診療教授
 堺田 惠美子 先生

骨折防ぐ

骨がもろくなっている場合、転倒や無理な動作によって骨折のリスクが高まります。
次のようなことに気をつけましょう。
骨折を防ぐポイント
家の中はできるだけ片づけて、段差や障害物を取り除く
必要に応じて手すりを設置する
腰に負担がかかるような動き(中腰での作業や重いものを持つこと)は避ける
長時間座りっぱなしや寝てばかりにならないようにし、無理のない範囲で体を動かす

体力維持・生活環境工夫

運動

横になって過ごす時間が長くなると、筋肉が弱くなり、骨への負担が大きくなることがあります。
あらかじめ医師や看護師などに相談し、体調が安定していて痛みがない場合は、短い散歩など無理のない範囲で体を動かすことを意識してみましょう。
どのくらいの運動が自分に合っているのかわからないときも、医師や看護師に相談してみてください。
ご家族と一緒に運動している多発性骨髄腫患者さん

生活環境

多発性骨髄腫では、骨がもろくなり、骨折しやすくなることがあります。
家の中で転ばないように、次のような対策をしてみましょう。
住まいの工夫
室内を整理整頓し、床の段差をできるだけ減らす
滑りやすい場所には、滑り止めのカーペットやマットを敷く
夜間に暗い中で転ばないように、常夜灯を足元に設置する
人感センサー付きの照明を使うのも効果的
滑り止めカーペットを敷いているご家族

感染予防する

多発性骨髄腫そのものや、その治療の影響で、免疫の働きを担う白血球が減少し、免疫機能が低下しているため、感染症にかかりやすくなっています。
日ごろから感染予防を意識した生活を送りましょう。
感染予防のポイント
感染症が流行している時期にはワクチンの接種を検討する
うがい・手洗いをこまめに、ていねいに行う
歯磨きをしっかり行い、口の中を清潔に保つ
外出時は混雑を避けてマスクを着用する
感染予防のため、手洗い・マスク着用・手の消毒をしている多発性骨髄腫患者さん

食事工夫

病気や治療の影響で免疫機能が低下し、感染症にかかりやすくなることがあります。
そのため、食事の準備をするときは、食中毒を防ぐための衛生管理にも注意が必要です。

食事は体力と生活の支えになります

治療を続けていく上でも、ご自分らしい生活を維持していくためにも、食事はとても大切な役割を果たします。
できるだけ栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。

持病や治療内容によって、食事に気をつけることも

例えば、高カルシウム血症腎機能の低下がある場合は、食事の内容に特別な配慮が必要になることもあります。
その場合は、あらかじめ医師や看護師、薬剤師に相談しましょう。

食欲がないときの工夫

副作用などの影響で、食欲がわかないこともあるかもしれません。
そのようなときは、無理に食べようとせず、少しでも食べられるもの・食べたいと思えるものを探してみましょう。
食欲がない多発性骨髄腫患者さんと、献立を提案するご家族

栄養士に相談することもできます

食事に関して困っていることがあれば、通院先の医療機関で、栄養士による「栄養相談」を受けられる場合もあります。
気になることがあれば、遠慮せずに相談してみてください。

仕事・生活治療両立

治療の内容は人によって異なります。入院が必要な場合もあれば、外来で治療を受けながら普段の生活を続けられる場合もあります。
仕事をしている方は、すぐに退職を考えるのではなく、まずは医師に相談し、休職や勤務の調整が必要かどうかを確認しましょう。
また、勤務先に時短勤務や休職制度などのサポートがあるかどうか、職場の担当者にも相談してみましょう。
治療について医師に相談する多発性骨髄腫患者さん

このページは、多発性骨髄腫の疾患に関する情報サイトです。医療に関する判断は、患者さんの特性を考慮し、医師と患者さんとの相談の上で行うものです。
多発性骨髄腫について、詳しくは医師にご相談ください。多発性骨髄腫に関する一般的な情報を提供するものであり、特定の治療法などを推奨するものではありません。

NP-JP-NA-WCNT-250021 2025年12月

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